Quanergy,ソリッドステートLiDARを発表

米Quanergy Systemsは,開発するソリッドステート3D LiDARの試作品を,JPCA Show(6月6日~8日,東京ビックサイト)に出展するジェピコのブースにて展示,デモも行なっている。

同社は,独Mercedes-Benzや韓国Hyundai,ルノー・日産,小糸製作所といった自動車メーカーや自動車部品メーカーの支援を受ける,自動運転向けLiDARの開発において期待されているベンチャー。

同社が既に製品化しているメカ式の「M8」センサーは,縦に並べた8本のレーザーを周回させることで周囲360°を上下20°の範囲でセンシングし,モデルにより100~200m(反射率80%)先の物体を捉えることができる。同様の製品は米Velodyneが先行するが,同社の製品は過剰なスペックを求めずにリーズナブルなコストを実現しているのが特長。国内ではSDKとの組合せで100~120万円で販売されている。

しかし,それでもメカ式のLiDARは価格型が高く,長期信頼性にも懸念があることから,自動車メーカーでは可動部の無いソリッドステートLiADARの登場を熱望している。ソリッドステートLiDARは最近になって製品化のアナウンスが出始めているが,未だに性能,サイズ,価格においてスタンダードとなるような製品は出てきていないのが現状だ。

現在,ソリッドステートLiDARの主な方式として,フラッシュLiDARとMEMS LiDARがあるが,フラッシュLiDARはビームを拡散して飛ばすため,遠距離の検出にはハイパワーのレーザーが必要となる。また,MEMS LiDARは厳密には微細な可動部が存在するため,メカ方式と同様に耐久性に疑問が残るという問題があった。そこで同社は,開発するソリッドステートLiDAR「S3」に,フェーズドアレー方式を採用した。

フェーズドアレー方式は,光の位相をコントロールしてビームを配向する技術。詳細はまだ不明だが,デモを行なっている試作機の視野角は50°,ビームは一本となっている。同社はこの試作機について,自動運転向けに製品化する際には視野角120°で100m先まで検出可能なものにしたいとする。ネーミングの「S3」から,ビーム数は3本となって上下方向のセンシングができるようになる可能性もある。

自動運転の実現にはまだ時間が必要なことから,同社はLiARの適用分野として自動運転だけではなく,セキュリティ分野にも力を入れている。実際,機械式の「M8」は自動運転の研究用途や自動運転タクシーなど,既存の車両に後付けする用途にはいいが,新車に使うには先に述べた信頼性の他,デザインの制約や価格の問題が残る。そこで今回この「M8」を使って警報エリアを設けた行動監視や,複数台の「M8」によるシームレスな広域監視,カメラと連動した特定の人物の監視等が可能な監視システムプラットフォーム「Qortex」も展示している。

また,開発中のソリッドステートLiDAR「S3」では,ゲート上部に設置することで人の出入りをカウントする機能や,人との距離を把握するソフトを本体に組み込んだ試作機のデモを行なっている。カウント機能では,従来技術で10%程度あった誤差を2%にまで高めることができるという。

ソリッドステートLiDAR「S3」の発売時期等については未定ながらも,自動運転向け以外の製品は国内ではジェピコから今年度中の発売を予定している。自動運転向けについてはメーカーへの直販となるが,2021年以降の実用化を予定している。

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