キヤノン,超低照度下でも動画撮影可能なCMOSセンサーを発売

キヤノンは,、フルHD(1920×1080)よりも広い範囲である2160×1280画素の読み出しが可能な,35mmフルサイズ超高感度CMOSセンサーの新製品「35MMFHDXSCA」を8月1日より発売した(ニュースリリース)。

この製品は,肉眼では被写体の識別が困難な0.001lux以下の低照度環境下で,カラー動画の撮像が可能な35mmフルサイズの超高感度CMOSセンサー。一辺19µmの大きな画素により,超高感度を実現した。また,画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを,独自技術により低減することで,超高感度と低ノイズを両立した。これにより,肉眼では被写体の識別が困難な0.001lux以下の低照度環境下において,カラー動画の撮像ができるため,流れ星などの動画撮影も可能となった。

この製品は広範囲撮像が求められる天体観測用途に適しているだけでなく,特殊なアスペクト比の高画素画像のニーズがある監視,産業用途にも対応する。また,必要な画素部のみ読み出しを行なう読み出し位置制御機能により,読み出し行数を少なくすることで,フレームレートを高めることが可能なため,夜間の高速道路における監視用途などにも応用できるとする。

一般的に天体観測では,長時間露光時に,わずかな明るさの星の観測を困難にする暗電流ノイズの発生を抑えるため,カメラを冷却しながら使用する。この製品は,周辺回路の駆動方式を工夫することで,低温状態においてもなお発生する暗電流ノイズの低減を実現した。これにより,10等星程度のわずかな明るさの星の天体観測などにも活用できる。

AIやIoTの進歩に伴い,さまざまな監視・観測現場での画像解析に向けた高性能なCMOSセンサーの需要が増加し,さらなる市場拡大が期待されている。高感度センサーは,工場などの産業分野をはじめ,微生物の微弱光観察など生命科学分野や,極力少ない光照射が求められる部位の観察など医療分野における応用も可能。また,監視分野においても,昼夜問わず高感度で撮影されたカラー画像は,防犯性の向上につながるとしてニーズが高まっているとしてる。

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