フェニックス電機ら,近紫外~近赤外の広帯域LEDを開発

フェニックス電機は,産業技術総合研究所(産総研),サイアロンと協力して,近紫外から近赤外光の広帯域の波長を有するLED素子を開発した(ニュースリリース)。

現在のLEDのほとんどは,人間の眼が感じることのできる波長範囲の光を発するものとなっている。それに対し,産業機器用や光計測用照明の場合,より広帯域の発光が一般に必要であり,また,点灯の間は発光波長や輝度が安定であることが望ましい。

そのため,従来はハロゲンランプが多く利用されていたが,廃熱やランプ寿命,パルス駆動が苦手といった短所があり,そのLED化が切望されていた。

今回開発に成功した素子の発光波長範囲は,350nmから1200nmまでをカバーしており,蛍光体層内の蛍光体含有量や配合,および,厚さを変えることで所望の光強度分布に発光スペクトルを調整することができる。

350nm~1200nmまでの波長帯域は,一般的に広く活用されている受光素子であるシリコンフォトダイオードの応答波長域とよく一致しているため,開発した超広帯域LED素子を光源として活用すれば、双方のデバイス性能を最大限に活用しあう計測機器の構築が可能となり,機器の特性や計測目的に最適化させることができる。

現時点における素子の発光強度は,直流電流駆動(電流値 500mA,順方向電圧 3.5V)の場合,約16mW(典型値:全波長の合計値),パルス電流駆動(最大電流値1000mA,順方向電圧3.9V)の場合,約42mW(典型値:全波長の合計値)であり,様々な計測の光源として活用できる。発光の指向特性は,半値角(θ1/2)58°(典型値:100mA通電時)となっている。

また,順方向電流値が20mAから1000mAの範囲においては,発光強度が通電電流値にほぼ比例して得られるため,計測用光源としても発光強度の制御も容易。

一般的なLEDと同様に,「通電直後に安定した発光強度が得られ」,また,「振動や衝撃に強く,壊れにくく」,「発光強度が環境温度に左右されにくい」,「省エネ,長寿命である」などの特長を持っており,通電電流値による発光強度の調整も容易であるため,産業機器用のメンテナンスフリー光源として好適だとしている。

産総研ではこの素子を活用した光計測技術・機器の開発などを進め,普及を図る。また,サイアロンの母体である物質・材料研究機構では,新規蛍光体の開発や性能向上に関する研究を加速する。フェニックス電機は,今回開発した超広帯域LED素子の量産化の準備を進めるとともに,さらなる高出力化・高機能化に向けた開発を推し進めるとしている。

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