東大ら,死にゆく大質量星が作る衝撃波を発見

東京大学と京都産業大学は共同研究により,0.91-1.36μmの近赤外線波長帯において,ガス放出を起こしている大質量星としてもっとも有名な「はくちょう座P星」を観測し,定常的なガス放出に伴う衝撃波が星のごく近くに作られていることを世界で初めて発見した(ニュースリリース)。

今回の研究では,高い波長分解能をもつ最新の近赤外線分光装置WINEREDを用い,星の周囲に放出されたガスの空間構造と速度構造を調査した。

その結果,星のごく近くで放出されたガスが,星間物質にぶつかることで生じる衝撃波を観測することに成功した。このような衝撃波の存在は理論的には予測されていたが,実際に観測されたのは今回が初めてだという。

太陽の8倍以上の質量を持つ「大質量星」は,晩年期に星の表面から大量のガスを放出し,衝撃波を形成する。このガス放出や衝撃波が多様な星間物質の形態や性質を決める重要な役割を担っていることは分かっていたが,肝心なガス放出や衝撃波の詳しい構造に関しては不明な点が多かった。

星がどのように生まれどのように死んでいくかという星の一生は,天文学の最大の研究テーマの一つ。なかでも重い星は,星の周囲だけではなく,銀河そして銀河宇宙全体の進化に多大な影響を及ぼすため,重要な研究対象になっている。今回の観測の成功は,星の一生の解明に寄与するものだとしている。

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