山大,高性能ペロブスカイト量子ドットLEDを開発

山形大学はペロブスカイト量子ドットの新たな製法を開発し,ペロブスカイト量子ドットLEDで世界最高水準の外部量子効率20%を超える発光効率を実現した(ニュースリリース)。

ペロブスカイト量子ドット(CsPbX3,X=CI,Br,I)は,高い発光量子効率とシャープな発光スペクトルを示すことから,有機EL材料やカドミウム系量子ドットに替わる次世代型発光デバイス(LED)材料として注目を集めている。

ペロブスカイト量子ドットの最大の特長は,量子ドットの結晶サイズやハロゲンアニオンによる発光波長の制御が容易なこと。無機ナノ結晶のペロブスカイト量子ドット表面を有機アルキル配位子で被覆することで,有機溶媒中に分散するため,塗布印刷プロセスによるデバイス作製が可能になる。

現在,臭素アニオンからなる緑色発光性CsPbBr3を用いたペロブスカイト量子ドットLEDの高性能化が重点的に研究されている。一方で,赤色発光を示すCsPbBr3は,結晶構造が不安定であることから,LEDへの応用および高性能化が困難であるとされていた。

今回研究グループは,安定性の高い緑色ペロブスカイト量子ドット(CsPbBr3)にヨウ素(I)を含むアンモニウム塩を加え,臭素(Br)アニオンの一部をヨウ素アニオンに置換するハロゲンアニオン交換を行なうことで,ハロゲンアニオンが混合したCsPb(Br/I)3を開発し,LEDへと応用した。

ハロゲンアニオンを混合することで,発光波長が緑色(508nm)から赤色(649nm)へと変換された。また,アンモニウム塩の種類によってペロブスカイト量子ドットの配位子状態が異なることを明らかにした。

ハロゲンアニオン交換した赤色ペロブスカイト量子ドットLEDは,赤色では世界最高水準の外部量子効率21.3%を達成し,色度座標では(0.72,0.28)という非常に色純度の高い発光を得ることができた。これは高い色再現を目指す,超高精細度テレビジョン(UHDTV)の国際規格(BT.2020)の範囲をカバーするもの。

研究グループは今回の研究成果をもとに,薄膜状態におけるペロブスカイト量子ドットの化学組成および表面配位子の精密な制御を進め,さらなる高性能化に向けたデバイス開発指針を確立することで,ディスプレーや照明用途への展開が期待できるとしている。また今後は,ペロブスカイト量子ドットLEDの耐久性向上に向けた検証を進めていく予定だという。

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