2018年度「C&C賞」に,西森秀稔氏とチン W. タン氏

NEC C&C財団は,2018年度の「C&C賞」受賞者2グループ,2名を決定した(ニュースリリース)。今回受賞したのは,東京工業大学・東北大学教授の西森秀稔(ひでとし)氏(グループA)と,ロチェスター大学名誉教授・香港科技大学教授のチン W. タン氏(グループB)。

両者は高度化する情報通信社会の発展に重要な革新技術を開発し,新たな研究の潮流や技術分野を切り拓いた,量子コンピューティングの基礎技術と情報端末における表示技術にそれぞれ貢献した。

西森氏は,ランダムスピン系という統計力学研究で得られた知見をもとに,これまで計算時間上解くことが困難と考えられてきた複雑な組合せ最適化問題を高速に解く可能性をもつ量子アニーリング方式を提唱した。タン氏は,高輝度で高効率な積層有機薄膜構造の発見によって,各種情報端末や表示装置に応用が進む有機発光ダイオード(OLED)の基本構造の開発や有機エレクトロニクス産業の発展で功績をあげた。

OLEDは薄さや形状,柔軟性,面発光といったデザイン性や,低電圧駆動といった携帯性に優れ,画質面でも高コントラスト,高速度応答,広視野角といったLCDに対する優位性があり,小型の情報端末では既に大きな市場を形成している。将来は,OLEDのさまざまな特徴を活かした情報端末が革新的なインターフェースとして社会や人々の暮らしを豊かにすると期待されている。タン氏はその発見と開発の先駆者としての業績が評価された。

「C&C賞」は1985年に創設された賞で,情報処理技術,通信技術,電子デバイス技術,およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究,この分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し,顕著な貢献者に授与される。C&C賞の受賞者には,賞状,賞牌および賞金が贈られる。

表彰式典は11月28日午後3時00分から,ANAインターコンチネンタルホテル東京において開催。同式典では贈呈式に続き,受賞者の記念講演が行なわれる。

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