NICTら,Φ0.16mm・4コア・3モードファイバで1.2Pb/s伝送

情報通信研究機構(NICT)とフジクラは,北海道大学,豪マッコーリー大学と共同で,直径0.16mmの4コア・3モードの光ファイバーと,コアとモードを一括で多重/分離するカプラを開発し,368波長全て256QAMという非常に高密度な多値変調を行ない,1.2Pb/sの伝送実験に成功した(ニュースリリース)。

主な新型光ファイバーには,光ファイバーに複数のコアを配置したマルチコアファイバーと,一つのコアで複数の伝搬モードに対応したマルチモードファイバーがある。これまでマルチコアファイバーでは,大容量かつ長距離の伝送実験の成功が報告されているが,光ファイバーが太くなるため,曲げや引っ張りの機械的ストレスに弱く,製造性や敷設作業による破断確率の増大,接続施工の難易度などが課題だった。

今回,研究グループが開発した伝送システムは,「直径0.16mmの4コア・3モード光ファイバー」「4コア・3モードを一括で多重/分離するカプラ」「368波長一括光コム光源」「1パルス8ビット相当の256QAM多値変調技術」の4つの要素技術から構成されている。

まず368波の異なる波長を持つレーザ光を一括して生成。光コム光源の出力光に偏波多重256QAM変調を行ない,12分割した後に遅延差を付けて擬似的に異なる信号系列とした。各信号系列は12の空間チャネルに対応した導波路に導入し,4つのコアに同時に異なる伝搬モード(LP01,LP11a,LP11b)を多重化して4コア・3モードファイバに入射した。

3.37km長の4コア・3モード光ファイバを伝搬後,コアごとに各モード信号を光学的に分離し,6×6規模のMIMO信号処理を行なって信号を分離し,伝送誤りを測定。直径0.16mmの光ファイバで毎秒1.2Pb/s光信号の伝送に成功した。

今回開発した4コア・3モードファイバは,コア数の増大に伴うクラッド外径の拡大を最小限に抑えつつ,コアあたりの空間チャネル数を増やして総伝送容量を向上する設計指針に基づいている。既存光ファイバーとほぼ同サイズのため,ケーブル化や敷設作業が容易になるなど従来の設備を流用することが可能で,早期実用化が期待できる。

また,既存光ファイバに比べて10倍以上の高密度な情報伝送能力を持ち,さらに,空間チャネル数が4の倍数であることからデータセンターなどで使われている入出力方式に親和性が高く,データセンター内外の高密度光配線への適用も期待されるとしている。

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