東邦大ら,ニトロ多環芳香族化合物の蛍光を増強

東邦大学,東京都立産業技術研究センターの研究グループは,強力な変異原性をもつニトロ多環芳香族化合物類の簡便な微量分析法を開発した(ニュースリリース)。

ニトロ多環芳香族化合物は,環境中には微量にしか存在しないものの,人や生物への大きな影響が懸念されることから,環境中に存在する濃度を高感度かつ迅速に分析する手法が求められている。

しかし,多くのニトロ多環芳香族化合物は弱蛍光性であるため,安価で汎用されている高感度な蛍光分析法が適用できず,高価な分析装置の利用や煩雑な前処理などを行なう必要があった。

今回研究グループは,ディーゼルエンジンの排気ガスや大気中などに低濃度に含まれる,変異原性物質のニトロ多環芳香族化合物を,従来よりも簡単な方法で微量分析する方法を開発した。

具体的には,ニトロ多環芳香族化合物のエタノール溶液に対して,特定の可視光を照射することで,元の100倍以上に蛍光を増強できた。またこれまでの研究で,ニトロ多環芳香族化合物を脱気下で蛍光増強させる手法は報告されていたが,今回初めてアルコール溶液中では脱気しなくても定量的に蛍光増強できることがわかった。

これにより,環境中低濃度のニトロ多環芳香族化合物は,事前に光照射をするという簡単な前処理を行なうだけで,安価で汎用の蛍光検出器を利用して高感度に定量分析することが可能となったという。

研究グループは今回の研究について,ニトロ多環芳香族化合物に特異的な現象であるため,環境中から採取した試料の中でニトロ多環芳香族化合物のみ選択的に蛍光増強させるなど,新たな分析前処理法としての応用展開も期待できるとしている。

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