阪大ら,n型有機半導体に有望なユニットを開発

大阪大学は,石原産業,独マックスプランク高分子研究所らと共同で,フッ素原子を導入した新規なアクセプターユニットの開発に成功し,有機薄膜太陽電池のn型半導体の構成ユニットとして有望であることを世界で初めて明らかにした(ニュースリリース)。

高性能の有機半導体材料を開発するためには,アクセプターユニット(電子密度の低いユニット)を分子構造の中に組み込むことが不可欠となる。

ナフトビスチアジアゾール(NTz)は,強力なアクセプターユニットとして世界的に用いられている分子。この分子のアクセプター性をさらに高めるためには,電気陰性のフッ素原子の導入が効果的だが,有機合成の困難さからフッ素原子の導入がこれまで達成できていなかった。

今回研究グループは,新規な有機合成ルートを確立し,フッ素原子を含むナフトビスチアジアゾール(FNTz)の合成に初めて成功した。

さらに,FNTzを組み込んだ有機分子を有機薄膜型太陽電池のn型半導体(電気伝導を担うキャリアが電子の半導体)材料として用いたところ,フッ素を含まない材料より性能が大きく向上することが明らかとなったという。

研究グループは,各種用途の有機半導体材料に対して,このFNTzユニットを導入することで性能の向上が期待でき,とりわけNTzが有効に機能する実績がある点で,有機薄膜太陽電池のp型半導体(電気伝導を担うキャリアが正孔の半導体)ポリマーに向けた応用が期待されるとしている。

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