広島大ら,高融点次世代はんだ材料を開発

広島大学らは,電子パラーメーターΔMkを用いる迅速かつ適切な合金設計に基づいて,高温用はんだ合金をBi系合金へと絞り込むことにより,融点が270℃以上で機械特性に優れた高温系鉛フリーBi系はんだ材料を開発した(ニュースリリース)。

はんだ材料の融点の観点から,標準鉛フリーはんだは,Sn3.0AgCu(現行品)の217℃が最も高温であるが,車載機器,産業用機器に対応するため,より高融点のはんだ材料が求められている。

研究グループは,2011年より電子パラーメーターΔMkを用いた合金設計を行ない,高温鉛フリーはんだ材料の研究を開始した。2013年,Biの合金材料の引張特性を調べたところ,当時業界では延び特性が0%(伸びはない)と言われていたBi系合金が,数十パーセント以上の伸びを有することを業界に先駆けて発見した。

この発見以降,研究グループは金属元素を添加し,実用に耐える高温鉛フリーはんだ材料として調整を進め,ヒートサイクル試験等の検証を重ねた。その結果,今回迅速かつ適切な合金設計が可能となる電子パラメーターΔMkを用いた設計により,Bi系合金によって高温用はんだ合金を絞り込むことに成功し,高温系鉛フリーBiはんだ材料を開発した。

この製品は融点が270℃以上で機械特性に優れた材料であり,現行品と比べると同等以上の機械特性が得られた。特に,この製品をLED実機基板でヒートサイクル等の信頼性特性比較を行なったところ,現行品の2倍以上のヒートサイクル信頼性特性が得られた。

この製品の特色は,①電子パラーメーターΔMkを用いる迅速かつ適切な合金設計にもとづいた材料系であること②現行品と比較した際に引張強度と伸びは同等の性能を持ちつつ,融点が270℃以上と60℃以上高いこと③-50~+150℃のLED実機部品基板を用いたヒートサイクルでは,現行が150サイクルでクラックが発生することに対して,300サイクルでもクラックは発生しないこと④高温だがアンチモンを含まず,環境や人体に優しい材料であることといった点にあるという。

研究グループは今回の研究により,オール鉛フリーエレクトロニクス製品化に適用できる環境と,人体に優しい次世代用鉛フリーはんだを世界に先駆けて実現することとなった。今後,鉛フリーはんだによる高温特性が要求されるSiC半導体や車載LEDデバイス,ワイヤレス給電デバイス,自動車エンジンルーム周辺デバイス等への応用が期待されるとしている。

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