三菱重工工作機械,堆積方式金属3Dプリンターを発売

三菱重工工作機械は,DED方式(Directed Energy Deposition)レーザー金属積層造形技術を用いた“金属3D(三次元)プリンター「LAMDA」”を製品化,初号機を2019年3月に地元の滋賀県工業技術総合センターに納入した(ニュースリリース製品HP)。

この製品は,同社のレーザー技術と位置決め制御技術をもって,次世代3D造形システムの構築を目指す技術研究組合 次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)が参画する,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトにて開発を進めてきたもの。2017年10月にプロトタイプ機の開発を完了し,小型部品の試作造形に特化したエントリーモデルを市場投入した。

金属粉末材料をピンポイントで連続的にレーザー溶融点にノズル供給する独自のDED方式を採用し,高速に多様な金属材料を積層できる商用モデルとしたもの。このデポジション方式は,二重になったノズルの真ん中をレーザービーム,その周りを金属粉末が通ってその集中点で溶融作用(直後に凝固する)が起き,ノズル走査(移動)で積層が進むというもの。

金属粉末を敷き詰めて溶融・凝固積層により造形を完了した後で不要な未固化粉末を除去して造形物を取り出す方式(パウダーべッド方式)に比べて10倍以上の高速造形が可能で,金属粉末のムダも抑制できる。

補修用途など部品表面への付加的な造形や異なる金属粉末の複層造形,大型部品の造形が可能であることから,加工段階における創意工夫や他の工作機械との複合活用により,大幅な用途拡大が期待される。さらに,金属パウダを入れ替えることで上方向でも横方向でも立体的な異材構造形成にチャレンジできるという。

今後の普及段階では積層造形した金属材料の品質維持・管理が課題になることから,同社では,造形状態を自動で監視・安定化させるモニタリングフィードバック機能,航空・宇宙分野などで使用されるチタン合金等造形に必要なシールド機能の開発にも取り組んでおり,実用化に目途をつけているとする。

滋賀県工業技術総合センターは2019年4月,工業技術総合センター敷地内に,新たに高度モノづくり試作開発センターを開設。同センター内にこの製品を設置することで,ものづくり企業の新製品・新技術の創出を支援するとしている。

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