ニコンら,分光とAIによる食品異物検査装置を開発

ニコンは,ジャム・フルーツスプレッドの製造工程において,異物・夾雑(きょうざつ)物を検出するための異物検査装置をアヲハタと共同開発した(ニュースリリース)。

ジャム・フルーツスプレッドの製造においては,原料に混入した異物・夾雑物(原料となるフルーツのヘタ・葉・枝・種など)を取り除く工程がある。これまでは,人の目による検査を行なっていたが,検出の精度にバラつきが発生するなどの課題があった。また,人の目による検査は作業者の身体的負担も大きいため,作業改善が必要とされていた。

一方,原料の種類の多さや果肉の形状により,ジャム・フルーツスプレッド分野においては,異物・夾雑物の検査工程の自動化は困難とされてきた。ニコンは,アヲハタからの要望を受け,2015年から基礎実験を重ね,2016年にはアヲハタと共同開発契約を締結。その後,異物検査装置の製作を開始した。

ジャム・フルーツスプレッドは,原料ごとに果肉の様子や状態が異なる。この装置は,ニコンの持つ「分光技術」を用い,ベルトコンベアを流れるジャム状の原料を連続的に撮影した画像から原料として問題のない果肉と,異物・夾雑物を見分ける。

ニコンは,検出実験の結果から,両者の違いを見分けるために最も適した波長のフィルタの組み合わせを選定し,装置に搭載した。また,撮影画像から異物・夾雑物を検出する処理には,AIの一種であるディープラーニングを活用している。

この装置は,ニコンの検査装置としては初めてディープラーニングを搭載した製品となる。なお,この異物検査装置は,アヲハタの主力商品の生産ラインにおいて,2019年5月から本格稼働しているという。

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