京大,暖色白色LED用結晶化ガラスを開発

京都大学,産業技術総合研究所,中国の昆明理工大学は,ガラスの結晶化技術を用い,新規白色LED用蛍光体の開発に成功した(ニュースリリース)。

現在広く普及している白色LEDはオレンジ色が不足しているため,冷たい色になることが欠点だった。これを克服するために複数の蛍光体を混ぜる研究が行なわれているが,色の均一性や有機樹脂バインダーの劣化などの課題があった。

ガラスにはいろいろな元素物質を混ぜられるため,蛍光体結晶粒子を含ませたガラスを作製することもできる。結晶を含むガラスは結晶化ガラスと呼ばれ,ガラスの成形性と結晶の機能性を併せ持つ材料として多様な研究開発例がある。

今回,研究グループは,ユウロピウム(Eu)イオンを含む蛍光体結晶粒子を含む結晶化ガラスに着目した。Euイオンには2価(Eu2+)と3価(Eu3+)の2種類の状態があり,それぞれ主に青~緑色,オレンジ~赤色に光るため,両者を含む結晶粒子を適切な比で混ぜることで白色を得ることができる。

しかし,結晶中での安定性の違いからEu2+とEu3+の両方を1種類の結晶に含ませて望まれる濃度比を得ることが容易ではないため,結晶中のEuの価数制御で白色を実現することはこれまで困難だった。

これに対し,研究グループは原料組成を工夫し,さらに結晶化を制御することで2種類の結晶をガラス内に析出させ,Eu2+とEu3+をそれぞれ別の結晶に取り込むことに成功した。Eu2+は酸化物結晶(NaAlSiO4)に,Eu3+はフッ化物結晶(Na5Gd9F32)に取り込まれ,それぞれ青~緑色とオレンジ色を放つことで暖かみのある白色が得られる。

両結晶はマイクロメートルのスケールで均一に析出しており,色ムラの問題は生じない。さらに窓ガラスやフロントガラスと同様に結晶化ガラスはさまざまな形に成形可能なため,従来のような有機樹脂バインダーは不要となり,劣化の問題も解決されたという。

研究グループは,今回開発した結晶化ガラスは,励起紫外光を白色に変換する効率が市販されている蛍光体に及ばず,十分明るい白色を得るためには厚さが2mm程度の分厚い結晶化ガラスが必要となるとし,今後,原料組成をさらに工夫し,薄くても(~100μm)明るい白色が得られる効率の良い結晶化ガラスを開発するとしている。

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