リコーの色素増感太陽電池,オフィスデスクに採用

リコーは,エネルギーハーベスト(環境発電)製品の第一弾として,室内光で発電する完全固体型色素増感太陽電池を実用化し,ビルンメンテナンスの大成および,オフィス内装のデザインのデザインオフィス ラインが発売したバッテリー搭載型デスク「LOOPLINE T1(ループライン ティーワン)」の室内用ソーラーパネルとして採用されたと発表した(ニュースリリース)。

周辺環境に存在する光や熱,振動などから発電するエネルギーハーベスト(環境発電)として,室内光のような微弱な光においても良好な発電性能を示す色素増感太陽電池は次世代型太陽電池として注目されている。

同社が開発した完全固体型色素増感太陽電池は,複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用することで,電解質を固体材料のみで構成することに成功した。

電解質に液体を用いる電池が抱える液漏れや腐食といった安全性や耐久性に対する課題を解決すると同時に,室内光源波長に適した有機材料の設計および,デバイス構造の最適化を実現することにより,発電性能を大幅に向上しているという。

今回発売する「LOOPLINE T1」は,サステナブルをコンセプトとした内装家具「LOOPLINE」の第一弾製品となるバッテリー搭載型デスク。天板に搭載されている完全固体型色素増感太陽電池を用いて,LED照明や蛍光灯などの室内光で発電し,デスク内蔵の取り外し可能なバッテリーへの充電が可能。

AC電源がなくても充電することができるので,災害時などの電気が使えない環境下に,スマートフォンなどへの電力供給を継続することが可能だとしている。

その他関連ニュース

  • 積水化学ら,ペロブスカイト太陽電池の設置実証実験 2024年03月28日
  • AGC,太陽光パネルカバーガラスの実証試験に成功 2024年03月26日
  • 東工大,高性能シリコン太陽電池製造手法を安全化 2024年03月14日
  • 日本学士院,日本学士院賞授賞を光研究2件に授与 2024年03月13日
  • OIST,太陽光発電の変動性評価における新手法を開発 2024年03月13日
  • DNP,両面採光太陽電池の発電を向上するシート発売 2024年03月07日
  • トクヤマ,低温熱分解法で太陽光パネルをリサイクル 2024年03月04日
  • 浜田,ホットナイフ分離法で太陽光パネルを処理 2024年03月04日