金工大ら,災害時用太陽光発電・給湯ユニットを開発

金沢工業大学は,アクトリー,東京大学,石川県工業試験場と連携して,コンテナ収容型太陽光発電・給湯ユニットの事業化に向けた実証実験を開始した(ニュースリリース)。

この研究開発は,自然災害時の電力供給や給湯対策の課題解決のため,アクトリーが2年計画で製品「iU-SOALA Wilsom(インテリジェンスユニット・ソアラ ウィルソン)」の事業化に取り組むもの。金沢工業大学は太陽の動きを完全追尾できる2軸追尾システムの構築に取り組む。これにより広く採用されている架台式シリコン系発電システムに比べ,年間発電量が最大2倍近く得ることが可能となる。

アクトリーではこれまでに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で,世界初の追尾集光型太陽エネルギー回収システム「iU-SOALA(インテリジェンスユニット・ソアラ)」を開発,プロトタイプの実証実験を行なってきた。これは鏡面反射を用いたパラボラ型集光レンズを搭載した架台設置型のもので,集光した太陽エネルギー量のうち,25%を電気,40%を熱(高温水)として回収できる。

今回の製品は,パラボラ発電部やパワーコンデショナー(発電された直流の電気を一般家庭で用いられる交流に変換する機器),起動用蓄電池などを10フィート(内寸2.9m)のコンテナに収容し,パッケージ化することで運搬・移設を容易にした。

コンテナを展開することですぐにシステムの稼働ができるため,架台式で必要だった工事費用を大幅に削減できるという。また強風や大雪,冬季や梅雨時の発電不適時には,遠隔操作によりコンテナにシステムを収容し,損傷の防止や機器の劣化軽減も可能。

これまでの架台固定式では東西に架台が固定されている事が多く,朝方,特に夏季に太陽が北寄りから昇り,発電パネルが太陽の影に入り,発電できない不具合があった。

これに対しこの10フィートコンテナでは基礎となる下部と可動部となる上部に分割可能な構造とし,上部は太陽の方向に回転,パラボラユニットも仰角駆動を可能とした2軸追尾システムを構築し,太陽の動きを完全に追尾できるようにする。これにより架台式シリコン系発電システムに比べ,年間発電量が最大2倍近く得ることが可能となる。

この製品はコンテナタイプで,搬送・移設が容易なため,自然災害時の電力供給や給湯対策や野外イベントでの需要等が期待できるという。なお,この製品は令和2年度の発売を予定している。

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