東大,ペロブスカイト太陽電池で変換効率20.7%

東京大学は,高性能低コスト太陽電池として,世界的な研究開発競争が進められているペロブスカイト太陽電池で,20%を超える高い変換効率のペロブスカイト太陽電池ミニモジュールの作製に成功した(ニュースリリース)。

ペロブスカイト太陽電池(PSC)は,作製プロセスの容易さと結晶シリコン太陽電池にせまる光エネルギー変換効率から,近年世界的に活発な研究開発が行なわれている。しかし,高い変換効率を示すPSCでも,しばしばI-Vヒステリシスや部分ごとの性能の不均一性が問題となってきた。

これまで研究グループは,カリウム(K)をドープした有機金属ハライドペロブスカイトを用いたPSCで,I-Vヒステリシスが大幅に低減できることを明らかにしてきたが,今回の研究では,ペロブスカイトの製膜条件の最適化で,I-Vヒステリシスが殆どない単セル(0.187cm2)のPCEの向上(22.3%)に成功した。また,20%を超える変換効率(20.7%)を示すミニモジュール(3直列,アクティブエリア2.76cm2)の作製にも成功した。

FTO基板は,レーザーエッチングでパターン形成した後,酸化チタン緻密層と酸化チタンナノ粒子層を積層し,その上に,ペロブスカイト層を作成した。その上にホール輸送層製膜した後,各セルを切り離すため2回目のレーザーエッチングを行なった。その上に金電極を製膜し3回目のレーザーエッチングを行ないPSCを完成させたという。

従来ペロブスカイト太陽電池で,20%以上の高い変換効率を示すものは,小面積の単セルがほとんどだった。たとえば,24.2%の変換効率を示すセルはわずか0.095cm2。ペロブスカイト太陽電池の実用化には,「高効率を維持しつつ,大面積化すること」「高効率の直列モジュールを作ること」「モジュール化してもIV-ヒステリシスを示さないものを作ること」の3点が必要だった。

今回の研究では,I-Vヒステリシスが極めて小さいカリウムドープペロブスカイト太陽電池の性能向上で,高効率を維持しつつ,大面積化すること,高効率の直列モジュールを作ることを解決した。研究グループは今後,この研究をベースにしてペロブスカイト太陽電池が実用化されれば,太陽光発電の低コスト化に直結し,再生可能エネルギーの導入拡大に大きく貢献するとしている。

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