理科大ら,イネの細胞でオートファジーを可視化

東京理科大学,公立諏訪東京理科大学,国立遺伝学研究所の研究グループは,イネの花粉への栄養・材料の供給組織である葯(やく:雄しべの先の花粉が入った袋)タペート細胞における,時空間的なオートファジー動態の定量解析手法を開発した(ニュースリリース)。

オートファジーは,真核生物に広く存在するタンパク質や脂質など生体分子の大規模な分解系。最近では,穀物イネの正常な花粉・種子の形成にも必須の役割を果たすことがわかっている。

今回研究グループは,タペート細胞においてオートファジーの誘導過程を可視化するために,タペート細胞で特異的に発現する遺伝子のプロモーターを用いて,オートファゴソーム(オートファジーを担う,細胞内の二重膜に包まれた球状の構造体)の形成に必要なATG8とGFPの融合タンパク質をイネで誘導し,解析を行なった。

その結果,タペート細胞の細胞質特異的にオートファゴソーム様の構造体が観察されるとともに,葯の発達ステージ毎の3次元画像解析から,特定のステージからタペート細胞全体にオートファジーが誘導されることが明らかになったという。

研究グループは今後,多様なイネの葯発達に異常を示す変異体群にこの技術を適用することで,穀物イネの葯発達のしくみや,その過程におけるオートファジーの重要性を明らかにし,さらに,地球環境変動などの要因により,イネの品質や収量の低下が懸念される中で,それを防ぐ新たな技術開発への貢献も期待できるとしている。

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