ソニー,手術映像の管理・活用システムを発売

ソニーは,新たなメディカルイメージングプラットフォームNUCLeUS(ニュークリアス)を提供開始し,このプラットフォームを構築する新商品として,映像の管理・活用に関わる各種ソフトウェアライセンスを発売する(ニュースリリース)。発売は9月3日。価格はオープン。

近年の医療技術の進化によって,患者になるべく負担のかからない内視鏡を用いた低侵襲手術が普及し,映像システムの高画質化・高精度化にも伴い,モニター映像を見ながら行なう手術が進んでいる。

この製品は,病院内の多様な機器の映像をIPネットワーク経由でリアルタイムに一元化し,多用途の記録編集・管理・活用を可能にする。この製品の導入により,手術室内外のワークフローに合わせて最適な医療情報やデータを自由に選択して活用することで,病院内のワークフローを効率化できるという。

例えば,さまざまな機器からの映像を手術室内外にリアルタイム配信して,術野(手術を行なっている,目で見える部分)や進捗状況を共有できる。また,離れた場所からアドバイスを得るなど双方向のコミュニケーションを実現し,安全な手術のサポートや若手医師の育成などにも活用できる。

この製品は,映像切替や管理などを行なうソフトウェアライセンス9種,ハードウェア2種で構成。顧客にとって必要なアプリケーションを,ソフトウェアプラットフォーム上で必要なだけ組み合わせることができ,要望に応じた柔軟なシステム提案が可能。また,オープンAPIにも対応し,他社が作成するアプリケーションやユーザーインターフェイスを自由に搭載することができる。

IPコンバーターでは,高画質4K映像データの伝送に対応し,近年幅広い商品展開の進む4K内視鏡など,将来的な4K対応機器の導入にも柔軟に対応する。リアルタイムでの伝送を実現する,同社独自のLLVC(Low Latency Video Codec)を採用することで,低遅延と高画質を同時に実現する。

この製品は,システムの導入後も,ソフトウェアアップデートで新たな機能追加が可能なため,将来にわたって機器の交換をせずに,顧客のニーズに合った最新のシステム環境を整えられる。

同社は,より安全で効率的な医療をサポートする機能をもったソフトウェアを開発,展開し,今後さらに,このアプリケーション用のAIや画像解析技術を用いた新しいソフトウェアの開発も進めていくとしている。

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