京産大,シアンLEDを使ったDNAシステムを開発

京都産業大学は,シアンLEDを使用した安全,かつ安価なDNAアガロースゲル検出システムを開発し,成果を発表した(ニュースリリース)。

遺伝子工学技術では,遺伝子本体であるDNAをアガロースゲル電気泳動で分析することを日常的に行なう。その方法は,古くから紫外線(UV)とエチジウムブロマイドと呼ばれる試薬を用いるのが一般的だった。

近年,エチジウムブロマイドの代替試薬として,発がん性の低い各種の代替試薬が開発されているが,これらを検出する際に,エチジウムブロマイドほど高感度に検出できないことが多く,広く普及しているとは言い切れないという。

今回開発した検出システムには,エチジウムブロマイドの代替試薬として市販されている発がん性の低いDNA染色試薬を用いた。現在,これらの試薬を使用してDNAを検出する際には,試薬のタイプにより,UVで検出する場合と青色LED光で検出する場合がある。

1つめのシステムは,UVで検出するタイプの染色試薬用に開発した。このタイプの染色試薬でDNAを検出するには,市販のUVトランスイルミネーターを用いていたが,今回,この試薬を検出するのに適した長波長の紫外線のみを発する市販のブラックライトを光源として使用した。そのため,非常に安価に励起光システムが構成できる。

2つめのシステムは,UVよりも安全な可視光(青~緑)で検出される代替試薬用に開発した。このタイプのDNA染色試薬は,これまで青色LED光で検出していた。これらのDNA染色試薬の最適な励起波長は,青色LED光よりも長波長側にあるため,効率的に検出できているとは言えなかった。

近年のLEDの普及に伴い,青色LEDだけでなく,その他の波長のLEDも一般的となっている。そこで,これらのDNA染色試薬に最適な励起波長領域をもつシアンLED光を用いて,検出システムを構成した。

このシステムでは,市販のシアンLED電球を使用しても,十分に高感度にDNAを検出することができ,その感度はUV-エチジウムブロマイド染色と同程度の検出感度だった。

2つのシステムは双方に一般的なライトを光源とし,これまでに比べて格段に安価にかつ簡便にアガロースゲル中のDNAを検出できるという。研究グループはこのシステムにより,生命科学の研究を進めるうえで重要な遺伝子工学技術の普及に貢献することが期待できるとしている。

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