府立医大,レーザー内視鏡で胃がんリスクを評価

京都府立医科大学の研究グループは,レーザー光による画像強調内視鏡観察(Linked color imaging)がピロリ菌除菌後に発見される胃がんのリスク評価に有用であることを明らかにした(ニュースリリース)。

現在,胃がんは罹患数が2番目に多く,その原因の多くはピロリ菌であり,予防のためにピロリ菌の除菌が有効であることがわかっている。しかし,ピロリ除菌後にも胃がんが発症すること(除菌後胃がん)がしばしばあり,除菌後胃がんによる死亡を減少させるためには,そういった胃がんの発症リスクが高い人を明らかにする必要がある。

近年,内視鏡検査で胃粘膜の状態を評価すること(内視鏡所見)で胃がんのリスクを判定する方法が注目を集めている。内視鏡機器の技術革新はめざましく,より正確に消化管のがんを発見し診断することなどを目的として,様々な特殊光による観察(画像強調観察)が開発されている。

研究グループはこれまでに,通常観察と比較して,画像強調観察であるLinked color imaging(LCI)を用いることによりピロリ菌感染を示唆する内視鏡所見を認識しやすくなることを報告している。しかし,この新しい画像強調観察であるLCIを用いた内視鏡所見によるピロリ除菌後の胃がんリスク評価についてはあまり報告がない。

今回の研究では,ピロリ除菌後に京都府立医科大学附属病院で胃がんスクリーニングのために胃カメラを受けられた患者を対象に,除菌後胃がんが見つかった症例(109人)と除菌後胃がんがない症例(85人)の内視鏡所見の違いについて比較を行なった。除菌後胃がんが見つかった症例に多く見られる内視鏡所見を解析することで,ピロリ除菌後に胃がんが発症するリスクを判定することを目的とした。

結果は,除菌後胃がんが見つかった症例では有意に「地図状発赤」という所見がみられ,逆に除菌後胃がんがない症例では有意に「regular arrangement of collecting venules(RAC)」という所見がみられるというものだった。

「地図状発赤」がある症例は,「地図状発赤」がない症例に比べて,3.6倍も除菌後胃がんが見つかることも明らかになった。さらに「地図状発赤」は,通常のモード(白色光,white light imaging;WLI)を使って観察するよりもLCIを用いる方がより正確に評価ができるという結果だった。

この研究成果により,LCIを用いた胃がんリスクの正確な評価が日本だけでなく世界に広がり,最終的にそのことがより多くの胃がんの早期発見・治療につながることが期待されるという。

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