浜ホト,光学式ピンホール検査ユニットを開発

浜松ホトニクスは,板状ワークに開いた穴欠陥を高速に検出できる「ピンホール検査ユニット C15477」を開発した(ニュースリリース)。価格はユニット一式で520万円。

この製品は,大面積の板状ワークの直径1μmまでの穴欠陥を,1台で高速に検出できる光学式のピンホール検査ユニット。光源ユニットから光を照射し,ワークの穴欠陥を通過した光を集光ユニットで効率的に集め,光電子増倍管により信号として検出することで,ワークの微小な穴欠陥の有無を判別する。また,気体や液体を利用する方式と比べ,ワークに圧力などを加えることなく検査できる。

穴欠陥が微小になるほど通過する光量が減少するため,検出できる光の信号量も減少し検査が難しくなりる。増幅回路を用いることで信号量を増幅させることができるが,信号量とともにノイズも増幅されるという課題があった。

今回,同社は回路設計を見直し,増幅回路により信号量を増幅させる一方,光源ユニットをパルス点灯とし,周期的な光の検出信号を利用してノイズを低減させる信号処理手法であるロックインアンプを採用した。この結果,信号量の増幅とノイズの低減の両立に成功し,従来の直径2μmの約4分の1となる直径1μmまでの穴欠陥の検出を実現したという。

また,検査ユニットの設計を工夫し,受光面積の大きい光電子増倍管を採用し,四隅からの光をまとめて検出できる受光面積の大きい光電子増倍管を採用したことで,これまで4台で検査していた,幅480mm×奥行き180mmと大面積の板状ワークを1台で検査でき,使い勝手を高めた。

この製品により,穴欠陥の最小検出面積を従来の約4分の1としたことで,市場拡大が見込まれている燃料電池自動車向けの燃料電池のセパレータやパウチ型二次電池のアルミラミネート外装,薄板のプレス加工品などの検査精度が向上すると期待されるという。

この製品は,新開発の光源ユニットおよび集光ユニットとともに,大面積の板状ワーク向け検査ユニットとして販売を開始する。光源ユニットは,LEDモジュールの組み合わせを変えることで,ワークのサイズに応じて発光面積を柔軟に調整できる。また,光量をモニタリングするための光検出器を組み込むことで,LEDの劣化を把握できメンテナンス性を向上した。

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