光コム三次元形状測定器に寸法解析ソフトウェアを搭載し,高速測定を実現

光コム三次元形状測定器エントリーモデル
光コム三次元形状測定器エントリーモデル

光コムは,2016年にリリースした光コム三次元形状測定器「OPTED」に,寸法解析ソフトウェアを搭載し,高速測定を実現した。

OPTEDは光コム干渉による絶対距離計測を利用する非接触三次元形状測定器で,精度10μmをワーキングディスタンス140 mm,焦点深度130 mmで実現する高深度タイプの「OPTED-L90」や,高精細タイプの「OPTED-S30」を始め,測定範囲に応じて複数の測定器をラインナップしている。同社の測定器はインダストリー4.0を志向する自動車など製造業における検査工程の自動化を支えるものとして評価されている。

今回,寸法解析のソフトウェアを追加し,高速測定ニーズに対応させた。非接触による広範囲な寸法解析を可能とし,これにより,数分から10分程度の検査ができるようになったという。同社によれば,既存の非接触測定器では,ミクロン精度での測定は2~3センチ四方が限界であったとしている。

例えば,一般的な自動車部品は数十センチサイズであるため,部品を切って測定する必要がある。また,接触式の形状測定器で部品全体を測定する方法もあるが,測定する点数に限界があり,測定時間が1時間から数時間も要するという問題もあった。

取得した形状データの例
取得した形状データの例

同社の光コム三次元形状測定器では,1秒間に50万点を一括でスキャンすることが可能だが,新たに追加した寸法解析ソフトウェアの搭載によって部品の測定が大幅に短縮する。

同社が特に強調しているのは検査工程の自動化だが,最も高水準な生産現場を構築している自動車メーカーや自動車部品メーカー,航空機・重工メーカーにあっても,検査工程では“目視による検査”に頼っている工程があるという。一方で,レーザー変位計やカメラ方式によって自動化されている検査工程もあるが,レーザー変位計やカメラでは振動や粉じん,さらには西日や照明などによる外乱光の影響といった問題もある。同社の光コム三次元形状測定器は,光コムレーザーが目の役割を果たすほか,外乱光などのノイズの影響を受けることがないため,検査工程の高効率化を可能にする。今回,寸法解析ソフトウェアを追加したことで,よりその優位性を示した。◇

(月刊OPTRONICS 2017年4月号掲載)