1. はじめに

液晶の屈折率異方性を応用して,入射光の波面を制御する液晶レンズや液晶偏向素子は,電圧の印加によってそのパラメータや極性を制御できるため,新しい光学デバイスとしての応用が期待されている1〜9)。一例として,液晶レンズを応用した可動部分を用いない焦点制御機構は,一部のスマートフォン向けのカメラに実用化されている10)。
しかしながら,より広い用途において従来の機械的なアクチュエータの代替とするためには,さらなる性能の向上が必要である。例えば,液晶偏向素子をスマホ用小型カメラの手振れ補正に応用しようとした場合,従来に比較して,約3倍の偏向角度が必要になる11)。
この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。