ナノ精度コピーによる超高精度ミラーの量産化

1.はじめに

光学システム,光学機器を構成するためにミラーは不可欠である。ミラーの形状誤差は,光学系において不要な収差を生む。そのため,形状誤差が可能な限り低減されたミラーの開発が長年行なわれてきた。現在,研削,研磨などの機械加工によりPeak-to-valley(PV)で100 nmの精度でミラーを容易に作製可能である。一般的な可視領域で使用されているミラーの多くは安価であり,光学性能に影響しない十分高い精度を有している。

一方,EUV(Extreme Ultraviolet)やX線領域における短波長用のミラーの製造には未だ課題がある。この領域で必要なPV10 nmレベルの精度の高いミラーは,計測された形状誤差を修正するように加工が行われる。そのため,高精度なミラーは一品生産である。シングルナノメートルの精度を有する加工と形状計測を複数回繰り返す必要がある。形状が複雑になればなるほど,加工と計測において大変な労力と時間を要する。

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