高速波長可変レーザーと広帯域光音響顕微鏡

1. はじめに

図1 各種生体物質の吸収係数波長依存性1〜3)
図1 各種生体物質の吸収係数波長依存性1〜3)
光と超音波を併用した3次元イメージング技術である光音響イメージング(PAI)は,光干渉断層法に代表される光のみを用いた技術と比較して,深部の可視化が可能であり,また超音波断層法に代表される超音波のみを用いた技術より高分解能が得られるため,近年特に医療分野で注目を集めている。PAIでは,目的とする対象に選択的に吸収される波長を用いることで機能イメージングが可能となっている。医療分野においては血液が計測対象とされることが多いが,各種生体物質の吸光度の波長依存性(図1)に見られるように,酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンにおける吸収係数が同程度な波長と異なる波長を選択することで,血管構造のみならず,酸素飽和度の計測が可能である。さらに,血液に限らず,脂質やメラニン色素に関しても吸光度波長依存性が報告されており,医療だけでなく美容・健康分野への展開も期待されている。

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