光を素材として扱い,陰影を与えて空間や物体の魅力を高める

◆矢野大輔(ヤノ ダイスケ)
照明デザイナー Tokyo Lighting Design LLC代表

2006 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒
2006−2010 Lighting Planners Assosiates Inc.
2010− Tokyo Lighting Design LLC設立
住居や商業施設などの建築照明デザイン・コンサルティングを行なう傍ら,TEDxTokyoなど国際的イベントの照明演出や,ファッションデザイナーYuima Nakazato氏のコレクション照明演出も手がける。増上寺を舞台としてプロジェクションマッピングとリアルタイムプログラミング技術を用い,同時に身体表現とのコラボレーションを行なうなど,常に新技術を取り入れながら現実空間に光の演出を展開し続けている。

2013 JCDデザインアワード新人賞/Graphis Design Annual 2016 Gold Aword

私たちは光をあらゆる分野で活用し,快適で安全な世界を作ってきた。今や,光の技術無くしてこの世界は成り立たないと言っても過言ではないだろう。

その中でも照明は,最も古い光のアプリケーションだ。太古,肉食獣から身を守るために焚かれた炎の明かりは,長い時を経て電球や蛍光灯となり,そしてLEDやレーザーへと進化してきた。

照明の明るさや効率は劇的に上がり,いつしか私たちは闇の存在を忘れ,闇を恐れることも無くなってしまった。特に私たち日本人は,明るく隈なく照らすことを是として照明を考えてきた。しかし,明る過ぎる照明はいつしか「光害」と呼ばれ,自然を壊すものとして敬遠すらされるようになってしまった。

人にとって,また環境にとって本当に心地よい照明とは何であろうか。今回は新進気鋭の照明デザイナー,矢野大輔氏にインタビューを行なった。氏の考える理想の照明について考え,今一度,光学の原点でもある「照明」に立ち返ってみたい。そこにはきっと,新たなヒントがあるはずだ。

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