近赤外光を当て,がん細胞だけを短時間で破壊!─世界が注目する近赤外光線免疫療法とは?

◆小林久隆(コバヤシ ヒサタカ)
米国国立がん研究所/米国国立保健衛生研究所(NIH) 主任研究員

昭和36年兵庫県生まれ。昭和62年京都大学医学部卒業。京都大学放射線核医学科,国立京都病院放射線科を経て,平成7年,京都大学大学院修了。医学博士。米国国立保健衛生研究所(NIH),京都大学を経て平成13年米国国立がん研究所。平成16年より現職。
平成24年「世界で活躍し『日本』を発信する日本人に対する感謝状」,5回のNIH Tech Transfer Award,平成25年NIH Director Award(Group award),平成29年NCI Director Award(Personal award)等多数受賞。

現在,がんに対する主な治療方法は「外科手術」,「放射線治療」,「化学療法」の三つがある。しかしながら,これらの治療では,正常な細胞や臓器に対しても障害を与えるなど,副作用をともなうことがある。

がん患者の負担を如何にして軽減し,根治させるかは大きな課題となっている。そのアプローチの一つとして,世界が注目したがんの治療法がある。米国国立がん研究所/NIH・研究所の小林久隆主任研究員が開発した「近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)」だ。

この治療法は,体に無害な近赤外光をがん細胞にだけに照射し破壊するという手法で,米国のオバマ前大統領が2012年の一般教書演説でも「偉大な研究成果」として取り上げた。小林氏の研究はさらに進展し,実用展開の道筋も見え始めて来た。

今回,編集部では小林氏に近赤外光線免疫療法の仕組みとその効果,研究の進捗状況などについて,話を伺った。

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