日本の林業復活のキーデバイスとなるか ─LiDARによる森林計測とそのポテンシャル

◆中村裕幸(ナカムラ ヒロユキ)
㈱woodinfo代表取締役,㈱DCMC代表取締役

東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻(建築防災)。修了後,清水建設㈱入社(2004年早期退職)。東京理科大学工学部建築学科非常勤講師(建築生産),早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員(サプライチェーン),東京工業大学資源科学研究所非常勤講師(経営工学),東京大学生産技術研究所連携研究員(木材流通),東京大学大学院工学系研究科非常勤講師(システム設計論)等を歴任。ジュネーブ協会火災賞,IMS成果賞受賞。

日本人は太古より森に分け入り,木を切り出してきた。木材としてはもちろん,煮炊き用の燃料,農業用の肥料や家畜の餌などとして日々の生活に役立ててきた。こうして木は生活に欠かせない資源となる一方,人口増に伴う伐採量の増加は山地の荒廃を招き,やがて水害や山崩れなどの自然災害を招く原因ともなった。

そこで江戸時代には森林の伐採を禁ずる制度が定めれられている。秋田藩家老の渋江政光が「国の宝は山也。山の衰えは則ち国の衰えなり」と林業の重要性を説いたように,日本人は治山・治水における森林の役割をいち早く見出し,植林と伐採のバランスを取りながら共生してきたのだ。

その林業が再び危機に瀕している。輸入材の攻勢により国内では深刻な林業離れが起きており,荒廃する山林も増えつつあるという。今回インタビューに応じて頂いた㈱woodinfoの中村裕幸氏は,林業が不振に陥った原因の一つに,旧態依然とした経営を指摘する。LiDARを用いた新たな手法は日本の林業が復活する起爆剤となるのか,その試みをご覧いただきたい。

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