灯台に愛を

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僕がまだ小学校の低学年のことだ。練馬にあった社宅に住む同学年の子が,東大病院で心臓の手術を受けることになった。幸い,手術は無事成功し,社宅の子供達で彼のお見舞いに行くことになった。まだ幼く無知だった僕は「トーダイ病院」というのは「灯台病院」だと勝手に思い込んでいた。

僕の頭の中では,どこかの海辺の風光明媚な断崖の上に聳えたつ灯台のたもとに建つ瀟洒な病院というイメージが出来上がっていた。お見舞いなのに不謹慎だけれども,僕は灯台が見られるのだと心躍らせていた。誰かの母親の引率で僕たちは病院に向かった。しかし,電車と地下鉄を乗り継いで行った先は街の中で,灯台などどこにも見えない。

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