がん研、肥満に伴う腸内細菌の変化が肝がんの発症を促進する可能性を発表

がん研究会がん研究所がん生物部主任研究員の大谷直子氏と部長の原 英二氏らの研究グループは、肥満による肝がん発症機構の一端を明らかにした。

肥満になると肝がんを含む様々ながんの発症率が著しく上昇することが知られていたが、そのメカニズムについてはこれまで良く分かっていなかった。

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研究グループはマウスを用いた実験により、肥満になると2次胆汁酸を産生する腸内細菌が増加し、体内の2次胆汁酸の量が増え、これにより肝臓の肝星細胞が細胞老化を起こすことを見出した。更に、細胞老化を起こした肝星細胞は、発がん促進作用を有する炎症性サイトカインを含む細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌することで、周囲に存在する肝細胞のがん化を促進することを明らかにした。

臨床サンプルを用いた解析から、同様のメカニズムがヒトの肥満に伴う肝がんの発症に関与している可能性も示され、本研究は肥満に伴う肝がん発症メカニズムの一端を明らかにしたと考えられる。今後、糞便中に含まれる2次胆汁酸産生菌の量を測定することで肝がんの発症リスクを予想したり、2次胆汁酸産生菌の増殖を抑制することで肝がんの予防につながる可能性が期待される。

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