東工大ら,高周波圧電共振器の課題を解消する回路技術を開発

東京工業大学は情報通信研究機構(NICT)と共同で,高周波圧電共振器を位相同期回路(PLL)に用いるための新しいアルゴリズムと回路技術を開発した(ニュースリリース)。

従来のPLLに比べ、低雑音かつ優れた性能指数(FoM)で動作することを確認した。この技術により,従来の無線モジュールで小型化・低コスト化のネックになっている水晶発振器を高周波圧電共振器に置き換えることができ,IoT時代に向けた無線通信システムの小型化・低コスト化・高速化に大きく貢献できるとしている。

高周波圧電共振器は小型で集積化でき,Q値に優れており,これを用いた発振器は優れたジッタ特性を有する。高周波圧電共振器は水晶共振器に比べ共振周波数のばらつきや温度依存性が大きいことが課題だったが,新規のアルゴリズムであるチャネル調整技術を用いたPLLの開発により課題を解決した。

最小配線幅65nmのシリコンCMOSプロセスで試作,最高約9GHzの周波数出力をわずか180フェムト秒の位相ゆらぎで達成した。消費電力は12.7mW。この性能はPLLの性能指数(FoM)で-244dBに相当し,小数点分周(フラクショナルN)PLLとしては世界トップクラスの性能となるもの。

こにより,外付け部品である水晶発振器を,集積回路に内蔵可能な高周波圧電共振器に置き換えることが可能となり,IoT時代に向けた無線通信システムの小型化・低コスト化・高速化に大きく貢献できるとしている。

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