東大ら,ボロフェン内に質量ゼロ粒子を発見

東京大学の研究グループは,中国科学院のグループ,高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究グループと共同で,ホウ素の単原子シート「ボロフェン」の中に,「質量ゼロ」 粒子を発見した(ニュースリリース)。

これまで,質量ゼロの粒子は炭素の単原子シート「グラフェン」に存在することが知られており,固体物理の中心テーマとして研究されてきた。また最近では,この粒子は電気伝導を担うため,エレクトロニクスの新たな動作原理に従うものとしても注目されている。

これまでの研究から,単原子シートにおける質量ゼロ粒子の生成には蜂の巣状の原子配列が必要と考えられていた。しかしながら発見されたばかりの単原子シート「ボロフェン」の電子状態を光電子分光法によって直接観測したところ,蜂の巣状の配置を持たないのにも関わらず,同様の質量ゼロ粒子が生成することがわかった。

この粒子はまた,シートを支える基板の影響により性質の異なるペアを形成して存在していることも発見した。この成果は,新材料「ボロフェン」が示す新奇な性質の発見のみならず,次世代材料として注目されている単原子シートに対して新しい物質設計理念を提供するもの。

今後,この研究成果を元に,質量ゼロ粒子による多種多様な原子シート物性の発見と工業利用への促進が期待され るとしている。

その他関連ニュース

  • NIMS,ナノシートで世界最高性能の誘電体膜を開発 2017年08月04日
  • 東大,空間反転対称性の破れに基づく超伝導ダイオードを実現 2017年05月11日
  • JAISTら,シリセン上に金属的な二次元状ケイ素を形成 2017年02月21日
  • 東大ら,単一超伝導ナノチューブの電気伝導性を制御 2017年02月17日
  • 日本触媒,酸化グラフェンの量産試作に成功 2017年02月10日
  • 東大ら,ビスマスのトポロジーの謎を解明 2016年11月22日
  • 千葉大ら,原子層物質のバンドギャップをコントロール 2016年10月18日
  • 原研ら,ゲルマネンの原子配置を決定 2016年09月14日