オンセミ,電子倍増式CCDのラインナップを強化

オン・セミコンダクターは,医療用や科学用のイメージングだけでなく,高性能の監視のための商業 /軍事用のアプリケーションを対象に,インターライン転送型電子倍増式CCD(IT-EMCCD)イメージセンサーに新製品を追加した(製品ページ 12)。

新製品の4メガピクセル「KAE-04471」は,既存のIT EMCCDデバイスよりも大型の7.4ミクロン・ピクセルを使用しており,集光能力を倍増し,微光の状態の画質を向上させた。既存の8メガピクセルモデルのピン配置とパッケージで互換性があり,既存のカメラ設計を容易に活用できる。

「KAE-02152」は,従来製品と同じ1080p解像度の2/3インチ光学フォーマットだが,近赤外線(NIR)波長の感度を向上させる高度なピクセル設計を組み込んだ。これは,監視,顕微鏡,眼科医療などのアプリケーションにおいて重要な改善点となるという。また,従来製品と完全な互換性を持っており,熱電クーラーを内蔵したパッケージで提供されているため,冷却カメラ設計を行なうために必要な作業を効率化できる。

インターライン転送型EMCCDデバイスは,2つの確立されたイメージング技術と独自の出力構造を組み合わせることにより,新しいレベルの低ノイズ,高ダイナミックレンジのイメージングを実現している。インターライン転送型CCDは,優れた画質と高性能の電子シャッターによる均一性を備えているが,この技術は,超微光イメージングに必ずしも適していない。

また,EMCCDイメージセンサーは微光の条件下では優れているが,解像度が低く,ダイナミックレンジが限られていた。新製品は上記の技術を組み合わせることにより,EMCCDの低ノイズ・アーキテクチャをマルチ・メガピクセルの解像度へ拡張することができ,また独自の出力設計により,標準CCD (ノーマルゲイン)とEMCCD (ハイゲイン)出力の両方を1つの画像キャプチャで利用でき,1つの画像で太陽光から星明かりまでダイナミックレンジとシーン検出を拡大する。

現在、エンジニアリンググレードの「KAE-04471」を提供中で,量産版は2017年第2四半期に提供を開始する。エンジニアリンググレードの「KAE-02152」は,標準パッケージおよび熱電クーラー内蔵パッケージの両方で提供されている。量産版は,いずれも2017年第3四半期に提供開始するとしている。

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