光技術展示会「OPIE’17」気になった展示

光技術展総合示会「OPIE’17」(会場:パシフィコ横浜 会期:4月19日~21日)は全ての会期を終えました。今回の出展社数は351社・団体,小間数は472小間,会期を通じでの来場登録者数は15,214名(実際の来場者数は,再来場者が含まれるため左記登録者実数を上回る)を数え,いずれも単独開催として過去最高となりました。(初日2日目の様子)。ここでは速報では紹介しきれなかった,編集部が「気になった」展示を報告します。

■クラレ(ブースNo.K-22)「微細パターン付フィルム」
化学材料メーカーである同社は,光学向け製品も取り扱っていることのPRと市場ニーズを探るために出展しました。紹介した「微細パターン付フィルム」は,UV透過樹脂とUV硬化樹脂を重ね合わせ,微細パターンの付いたスタンパーで形成しながらUV硬化を行なう手法で,ロール・ツー・ロールによる大量生産を可能にしています。モアレや光学レンズなど任意のパターンを作ることが可能で,パターンのサイズは20~200㎛。応用としてHUDやHMD向けのフィルムを展示・紹介していました。特にHMDは目の前のディスプレーパネルをレンズで拡大するため画素パターンが見えてしまうことが没入感を妨げる要因となっていますが,レンズパターン付フィルムの貼り付けにより画素パターンを完全に見えなくするデモを行なっていました。

■日本レーザー(ブースNo.C-2)「超微細3Dプリンター」
3Dプリンターには極小の構造物をプリンティングする装置もあります。同社が取扱う独nanoscribeはカールスルーエ工科大学から2007年にスピンアウトした企業で,2光子吸収を応用した超微細3Dプリンターを製造しています。この製品は780nmのフェムト秒レーザーを用いた2光子吸収により,200nm~の精度を持つ造形を実現しています。デモでは作製した高さ2mm程度のエッフェル塔を展示(写真上)。骨組みまで精工に再現していますが,残念ながら写真では見えません。主にバイオ用途における細胞の足場の作製や,メカニカルメタマテリアルにも応用されているそうです。またスイスFEMTOprintのガラス3Dプリンターはガラスの母材を2光子吸収によるアブレーションで改質,後に薬液でエッチングすることで微細構造を作製する装置です。厳密には3Dプリンターとは言えませんが,中空構造も作れるのが特長です。加工分解能は1㎛。マイクロ流路や光学部品(写真下)の製造などに使われているそうです。

■LIQUID INSTRUMENTS(ブースNo.H-33)「Moku:Lab」
オーストラリア国立大学のスピンアウトであるLIQUID INSTRUMENTSが展示していたのは,オシロスコープ,スペクトラムアナライザ,波形発生器,位相計,ロックインアンプなど,7つの測定装置・機能を1台にまとめたポータブルな測定器。高度なデジタル処理によるもので,本体にディスプレーと操作パネルを兼ねるiPadを装着して使用します。2チャンネルのアナログインプット/アウトプットを装備しており,Wi-Fiとイーサネットによって通信できるほか,測定したデータは内蔵のSDカードに記録,またはメールで送信したり,ドロップボックスやクラウドに格納することもできます。機能は随時増やすとしていて,最終的には20種類くらいの計測や機能が1台で使える予定だそうです。価格は5,000米ドル。まさにIT時代の測定装置です。

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