理研ら,生体内で起こる化学反応を可視化

理化学研究所(理研),高輝度光科学研究センターらの共同研究グループは,X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAにおいて,生体内で起こる化学反応を可視化する技術を開発した(ニュースリリース)。

酵素は,生体内でさまざまな化学反応を行なっている。そのメカニズムを知るためには,酵素の構造とその変化を原子レベルで見ることが不可欠となる。しかしこれまでは,反応前や反応後など酵素が止まっているときの構造は見られても,酵素が反応している最中の構造を見ることは困難だった。

今回,共同研究グループは,光を照射すると基質を放出するケージド化合物とSACLAの高品質なX線を組み合わせることで,酵素が反応している最中の構造を原子レベルで見る技術を開発した。そしてその技術を用いて,一酸化窒素還元酵素が,反応相手の分子を取り込む瞬間の構造を捉えることに成功した。

この技術を用いることで今後,さまざまな酵素の働く仕組みが解明され生命現象の理解が進むだけでなく,新薬の設計や開発などへの応用も期待できるとしている。

その他関連ニュース

  • 東大ら,軟X線レーザーで第2高調波を観測 2018年05月28日
  • 理研,X線光渦で回折限界以下の微細構造を形成 2018年04月19日
  • X線ミラーのジェイテックコーポレーション,マザーズに上場 2018年03月12日
  • 理研,従来の100倍明るいX線の取出しに成功 2018年03月02日
  • 名大ら,数万気圧極低温下での単結晶X線結晶構造解析に成功 2018年01月29日
  • 理研,X線タイコグラフィで試料のXAFSを取得する手法を開発 2018年01月23日
  • 理研,正確なXFELパルスの空間コヒーレンス計測法を開発 2018年01月18日
  • 原研ら,放射光光電子顕微鏡で絶縁物をナノスケール化学分析 2018年01月12日