東大ら,ガラス形成能を支配している物理因子を解明

東京大学と伊ベニス大学の研究グループは,長年の謎であった,なぜ三重点や共融点近傍でガラス形成されやすいのかという謎を,理論・数値シミュレーションにより解明した(ニュースリリース)。

2種類の結晶と液体の三相が共存する,1成分液体の三重点や2成分系の共融点近傍では,経験的にガラスが形成されやすいことが知られ,ガラス材料を形成する際の,重要な経験則として広く知られている。

しかし,これまで,液体の構造は乱雑で一様と考えられてきたが,融点以下では,何らかの方向秩序を持つ傾向があることが明らかとなった。

このことは,液体の構造と結晶の構造が似ていると結晶化しやすく,一方,大きく異なると結晶化が阻害されガラスが形成されやすいという,極めて自然な原理の存在を意味する。

また,共融点付近では,2種類の対称性の異なる結晶が競合する結果として,液体の構造が結晶に近い構造をとれず,液体と結晶の構造の差が最大化されるため,液体・結晶の界面エネルギーが大きくなる。このことが,共融点近傍でみられる高いガラス形成能の原因であることが明らかとなった。

この成果は,結晶化とガラス化の間に深い関係があることを示したばかりでなく,様々な物質のガラス形成能を制御する新しい道を拓くという意味で,応用上のインパクトも大きいと期待できるという。

また,このような機構は,液体の結晶化に限らず,様々な秩序化(スピンや電荷の秩序化)が競合した時に形成されるガラス的な状態の形成の理解にも適用可能であるとし,今後の発展が期待されるとしている。

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