畿央大,閾値下の刺激が視覚-運動統合を向上すると解明

畿央大学は,SRが視覚-運動統合に与える影響を調査し,確率共鳴(SR)が若年健常成人の視覚-運動統合を向上することを明らかにした(ニュースリリース)。

感覚-運動統合は運動学習や運動制御において欠かせない脳機能。発達性協調運動障害や視覚性運動失調,そして失行はその病態に感覚-運動統合の困難さを有しているため,感覚-運動統合を促進する効果的な介入手段の開発が求められている。

SRとは,感覚閾値下の機械的あるいは電気的ノイズを生体に印加すると,感覚入力シグナルが増幅し,運動反応が向上する現象。SR現象は健常成人のみならず,健常高齢者,脳卒中後片麻痺,糖尿病性神経障害,パーキンソン病などでも観察されている。しかしSR現象の提供によって,感覚-運動統合が促進されるか否かについては明確になっていなかった。

視覚-運動統合の時間的側面,すなわち視覚-運動時間的統合機能は,遅延視覚フィードバック検出課題によって客観的・定量的に測定することができる。一方で,遅延視覚フィードバック下での運動課題は,視覚-運動統合を阻害し,運動に拙劣さを与えることができる(仮想的な視覚-運動統合障害)。そして感覚閾値下の振動触覚ランダムノイズ刺激は,SR現象を引き起こすことができる。

そこで研究グループは,若年健常成人30名を対象に,SRが遅延視覚フィードバック検出課題と遅延視覚フィードバック下での運動課題に与える影響を調べた。

その結果,SRの提供によって若年健常成人の視覚-運動時間的統合機能が向上することがわかった。SRデバイスは,感覚-運動統合障害を有する疾患の症状改善に効果的で有り得る。しかしSRの提供は,267ミリ秒の遅延視覚フィードバック下での運動に正の効果を与えなかったため,感覚-運動統合障害が重度である場合には,SRは有効でない可能性があるという。

研究グループは,今回のSRの提供が感覚-運動統合障害を有する疾患に対して有効である可能性があるとし,介入研究を実施することで,SRの有効性を検証する必要があるとしている。

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