東北大ら,新しい暗黒物質探査方法を発見

東北大学と京都大学は,暗黒物質研究とそれとは全く別に発展してきた惑星形成研究とを融合し,暗黒物質がアクシオンであるかどうかを検証する新しい方法を発見した(ニュースリリース)。

宇宙は暗黒物質という物体で満たされていることが知られているが,その正体は依然としてわかっていない。近年,暗黒物質の候補として注目を集めているのが,アクシオンと呼ばれる,高エネルギー理論から存在が予言されている未発見の素粒子。

これまでも太陽から飛んでくるアクシオンを地上で捕まえる実験や,人工的にアクシオンを生成させて検出する実験が行なわれてきたが,どれも発見には至っていない。

一方で,地球のような惑星は,太陽のような光り輝く星が生まれる際,そのまわりにできるガスや塵からなる円盤状の天体から生まれると考えられているが,その詳細は未解明。この惑星の「ゆりかご」となる原始惑星系円盤はその中心にある星からの光を反射することで光っており,その観測が勢力的に進められてきた。

今回の研究は,これらの全く異なる分野として発展してきた2つの研究を融合させたもの。原始惑星系円盤からやってくる光を観測すると,綺麗な同心円状の偏光パターンを持つことがわかる。しかし,アクシオンは飛んでいる光の偏光方向を回転させる性質があると考えられている。

原始惑星系円盤から地球までの宇宙空間も暗黒物質で満たされているはずなので,アクシオンが暗黒物質だとすれば,同心円状の偏光パターンが渦巻き状へと乱されてしまうことが期待できる。従って,原始惑星系円盤の偏光パターンの乱れを探すことで,アクシオンを探索することができるという。

研究グループは,すばる望遠鏡が取得した原始惑星系円盤の観測データに注目し,偏光パターンが見つからないことから,アクシオンの性質に対して世界で最も強い制限をつけた。今後,最新の望遠鏡を用いた原始惑星系円盤の偏光観測を行なうことで,アクシオンが発見され,暗黒物質の正体が解明される可能性があるとしている。

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