光創成大,レーザー核融合の高速燃料投入装置を開発

光産業創成大学は,レーザー核融合炉向けの燃料投入装置を新たに開発し,従来の10倍となる10Hzと高繰り返しでレーザー核融合の実験装置に燃料を投入することに成功した(ニュースリリース)。

レーザー核融合は,海水中に豊富に存在す る重水素を入れた燃料にレーザーを照射することで核融合反応を起こし,人工的にクリーンで安全なエネルギーを作り出そうとする技術。

世界の主要なレーザー核融合施設では,大型のレーザー装置により入力エネルギーに対し出力エネルギーを100倍程度に大きくする高利得達成に向けた大規模な実証実験が行なわれているが,レーザーを励起するランプを冷やす時間が必要なため1日数回のレーザー照射に限られている。

一方,研究グループは,レーザー核融合の実用化には10Hzで小規模な核融合反応を起こし連続的にエネルギーを取り出す必要があると考え,高繰り返しの燃料投入装置と大出力レーザー,核融合反応のエネルギーを取り出す仕組みという3つの必須技術の確立に向け研究開発を進めてきた。

今回,回転円盤の穴を従来の10倍となる200個とした燃料投入装置を新たに開発し,10Hzでの燃料投入に成功した。穴の数を増やすことで燃料を詰めにくくなるが,燃料に生じる静電気を除去するとともにターゲットローダーと回転円盤の接触部の構造を見直すことで高繰り返しを実現した。

また,投入速度の向上に合わせ位置検出カメラとレーザーを調整し実験装置を最適化することで,燃料にレーザーを照射する確率は従来と同等の約70%を達成した。この成果により,連続的にエネルギーを取り出すことができる小規模なレーザー核融合炉の実現に向けて前進したとしている。

研究グループは今後,核融合炉の24時間運転の実現に向け新たな燃料投入機構の開発を進める。また,燃料が投入される位置に合わせて自動的に照射位置を調整するレーザーシステムの開発を進め,レーザー照射率を高めていくという。

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