佐賀大ら,近赤外光を発する応力発光体を開発

佐賀大学と産業技術総合研究所は共同で,力で発光する高感度近赤外応力発光体の開発に成功した(ニュースリリース)。

これまで研究グループは,力で電気を発生する圧電体において,その結晶構造および元素を精密制御することによって,圧電性と応力発光性を併せ持つマルチピエゾ物質を発見し,論文を公表してきた。

応力発光体は外部からの機械刺激により発光する材料。機械刺激の種類としては摩擦,衝撃,圧縮,引っ張り,ねじりなどがあるため,様々な検査に応用できると期待されている。橋やトンネル,化学プラントなどのインフラの健全性検査,部品・部材の設計や試験など,その展開可能な分野は多岐に渡る。

今回は,マルチピエゾ機能を有する物質群で,新たな非対称性強誘電性の結晶構造をもつSr3Sn2O7:Nd3+物質において,世界に先駆けて,超高感度近赤外応力発光体を実現した。

圧力によって電気を発生する圧電体は古くから知られているが,2017年に研究グループは圧電性と応力発光性を併せ持つ物質を発見し,この圧力(piezo,ピエゾ)による圧電性と応力発光性の同時発現をマルチピエゾ(multi-piezo)と新規に命名した。

この近赤外応力発光体は,これまでと比較して10倍高い応力発光強度と繰り返し発光性を有しており,生体をも透過できる強い近赤外応力発光であることから,人工骨や生体内インプラントなどに加わる危険な応力集中を高速かつ広域に可視化することが可能だという。今後,様々な材料および構造の安全評価への貢献が期待されるとしている。

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