ガウシアンビームの伝播(4)

1 はじめに

レーザーオプティクスアプリケーションの多くで,レーザービームは理想的なガウス分布に沿った放射強度プロファイルを持つガウシアンと想定されている。本稿では,レーザー集光アプリケーションの多くで参考となるガウシアン焦点シフトやコリメーションの方法について,関係する方程式を示しながら解説する。

2 ガウシアン焦点シフト

図1 ビーム半径が標的上で最小になるのは,一点集光するビームのウエストが標的上ではなく,標的手前の特定の場所にある時に生じる

直感的にわかりづらい点とはなるが,レンズからある一定距離(L)にある標的内に像を結ぶ集光ビームの強度は,ウエストが標的上にある場合でも最大とはならない。実際は,ウエストが標的手前のある場所に位置する時に,標的上での強度が最大になる(図1)。この現象は,ガウシアン焦点シフトとして知られる。
 
本稿では式の導出を延々と述べないが,標的上でのビーム半径は次式のように記述することができる1)








式(4-1)を,集光レンズの焦点距離(f)で微分し,d ⁄ df[wL(f)]=0として f を解くと,ビーム半径が最小となるレンズの焦点距離,即ち標的上で最大強度が得られる焦点距離が導き出せる。









f=Lの時,|s|がゼロまたは無限大に近づくと,d ⁄ df[wL(f)]=0になる。この両方のケースにおいても入力側ビームはほぼコリメートになるため,レンズの焦点上で最小ビーム半径が得られることになる。

3 ガウシアンビームのコリメーション

図2 ガウシアンビームをコリメートするために,ビームウエストからコリメーターレンズまでの距離をレンズの焦点距離に等しくしなければならない

発散が 0(ゼロ)の真のコリメートビームの実現は不可能だが,発散を最小にするか,或いは観測地点と最近傍のビームウエスト間の距離を最大にするかのいずれを行なうことで,おおよそコリメートされたビームを形成することができる。出力側の発散角の大きさは倍率 α に逆比例するため,出力側の発散は,|s|=f の時に最小値をとる(図2)。

参考文献
1) Katz, Joseph, and Yajun Li. “Optimum Focusing of Gaussian Laser
Beams: Beam Waist Shift in Spot Size Minimization.” Optical
Engineering, vol. 33, no. 4, Apr. 1994, pp. 1152-1155., doi:10.1117/
12.158232.


Gaussian Beam Propagation 4
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