光速は遅すぎる?

ご存知の通り,2019年4月,ブラックホール(BH)の影が,始めて画像化されて公開されました。暗いオレンジ色のドーナツ型パターン,ドーナツに囲まれた中心部分にBHが隠れているのだそうです。

どのようにして観測されたかや,得られたパターンの解釈について,あちこちに解説が出ています(例えば,日経サイエンス,2019.07)。地球から5500万光年の距離にある楕円銀河,M87(乙女座A),の中心にBHがあり,質量は太陽の65億倍,シュヴァルツシルト半径(脱出不能となる境界の半径)は190億km(海王星公転軌道の4倍以上)とのことです。

BH周辺の光波(フォトン)が引力圏を脱出する際にBHの2.5倍程度の大きさのリングを形成するとの事で,今回観測されたドーナツの直径は1000億km程もあるという事になります。観測は波長1.3mm帯で行われたようですので,オレンジ色の濃さは観測されたミリ波の強度に対応しているもののようです。本物の可視光像もいつか見てみたいところです。

私達の銀河系(天の河銀河)の中心にも,多分BHが存在するとのことです。中心付近にある電波源,射手座A*,その物,あるいはそのすぐ側,にBHが隠れているようで,その周囲を200個以上の恒星やガス雲が公転していて,その様子が観測されています。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  
新規読者登録フォーム

同じカテゴリの連載記事

  • 活況を呈す,紫外線光源・システム 井筒雅之 2020年07月07日
  • 五感を呼び覚ます技術がアフターコロナでは重要 井筒雅之 2020年07月07日
  • 新型コロナウイルス後のオプトエレクトロニクス技術 井筒雅之 2020年07月02日
  • 将来のフォトニック材料への期待 井筒雅之 2020年07月02日
  • エネルギー問題と光技術の研究開発 井筒雅之 2020年06月11日
  • 注目を浴びる水中光無線通信技術 井筒雅之 2020年05月25日
  • チャレンジングでクリエーティブな人材を生み出すために必要な事とは 井筒雅之 2020年04月20日
  • 量子レーダーの進歩 井筒雅之 2020年03月09日